2014年08月08日

なぜ今Canon FDレンズ

本記事は限りなくメモ書きです。
追記:下記は2014年時点でのα7Sでの利用を想定したメモで、2016年現在本文にある電子式マウントアダプタの完成度は十分に高いものとなり、またEマウントのレンズバリエーションも飛躍的に広がったことから、あえてFDレンズを購入してまで利用するメリットはほとんどないかと個人的には思っております(現在FDレンズはほとんど使っておりません)。

[背景]

現在いくつか理由があって銀塩マニュアルフォーカス世代のCanon FDレンズの併用を始めました。

理由はα7sで明るいレンズを使いたいから。


Canon EFマウントの利用が理想なんですが、期待していたMetabnes製アダプターがやや不調のため、ちょっとだけ意気消沈していたのです。

(なお本国で現在発売中のMetabonesのスマートアダプターMarkIVについては、ファームウェアV0.32となっておりα7s対応済みのようです)。

ついでに未だにEFマウント用のSpeed Boosterが出ないMicro Four Thirds(のGX7)でもSpeedBoosterを使いたかったのであります。FD用のSpeed Boosterは出ているのです。なお他社製のフォーカルレデューサは画質面で妥協が必要です(参考: : 雲台のこと・三脚のこと「各社Speed Booster vs Lens Turbo画質比較(解像度・ホットスポット)」)。(2014.8.27追記 現在はマイクロフォーサーズ用のスピードブースターが発売になっています)



[EFマウントは電子制御型アダプタでないと使いにくい]

以前の記事から繰り返しますが、

EFマウントは

・絞りが電子制御のため、絞り環がなく、絞りを物理的に変えられない。

・特に個人的によく使うEF85mmF1.2L(II)やEF50mmF1.0Lは、フォーカスリングも電子制御のため、電源が入っていないとピントも変えられない=使えない。

のでアダプタに求められるハードルが一際高いのです(なんらかの電子制御機能が必要)。そして今回α7Sでは、その神アダプタが少しままならない、マイクロフォーサーズ用は長い間期待されつつ、未だに出ていない。(2014.8.27追記 現在はマイクロフォーサーズ用のスピードブースターが発売になっています)


ので、一旦EFマウントはあきらめたとして、他のハードルの低いレンズはどうだろうか、と思った次第です。なおα7Sにこだわるのは、 現時点で大型センサーでサイレントシャッターが使えるのはこの機種しかないためです。暗いステージ撮影に使いたい。(APS-CサイズでもSpeed Boosterが使えればいいが、現時点ではサイレントシャッターが使える機種は存在しないのです。2014.9.30追記:11月に発売の富士フイルムのX-T1グラファイトシルバー エディション、および12月にリリース予定のX-T1のファームウェアでも静音撮影が可能なようです。 )


[なぜCanon FDレンズ?]

さて今回数あるマニュアルレンズ群の中でもFDレンズにした理由は

ラインナップがわかりやすかった

ラインナップがEFマウントと被る部分が多いので、個人的にはレンズの検討・選択が比較的しやすかった。


・明るいレンズを使いたかった

特に他のマウントではあまり見ないFD85mmF1.2Lを使いたかった。


・安いと思った

長い歴史を持ち未だに続くNikonのFマウントのレンズに比べると、汎用性が低い(FDは一眼レフの中ではフランジバックが短く装着可能な一眼レフボディがほとんどない)ので、安価であろうと思った、が実際はそれほどでもなかった気がする。まだ様子見ということもあって、安さはとても大事。


・他のミラーレスでも結構使えそう

APS-CサイズやマイクロフォーサーズでもMetabone製Speed Boosterなどのフォーカルレデューサが出ており、NEXでの経験から画質面でも画角面でもなかなか使えるのではないかと思っております。

(なお別記事の通り他社製のフォーカルレデューサは画質面でやや疑問)


またFDの弱点としては

・ミラーレス以外のデジカメではほとんど使えない

例えばNikonのFマウントレンズだとフランジバックが長いので、ほとんどの一眼レフ含むカメラで使いまわしができますよね(汎用性が高い)。


機構が複雑で保守性に劣るらしい

情報伝達を機械式に行っていたことで、レンズシステムの発展に伴いその仕組みが複雑化したことと、NewFDではもともとスピゴット式だったものを疑似的なバヨネット式にしたことによるものでしょうか?


・他のマウントに比べると曇りを発生しやすい(ヘリコイドなどのグリース由来??)らしい

ホント?とも思う。

といったことが言われており、経年劣化のリスクが他マウントのレンズに比べ多少高いかもしれません。。


まあ、マウントアダプタを常時咬ませるつもりなので、すべてが同じマウントである必要もないのですが、同じ方が運用しやすいとは思われます。(もしマイクロフォーサーズの本体でも、これらのレンズを使いたいといったことになった場合は組み合わせがn対nになりますから、面倒になりそうです)

なおマウントアダプタFOTGAの700円くらいのものを使っています。


[購入したFDマウントのレンズと価格]


もともと広角レンズは持ってなかったが、割と手頃だったので買ってみた。8000円弱+フードBW-52C:700円で購入

自分の使い方ではF4くらいに絞って使うことがほとんどなので、(単焦点としては)多少暗くても問題ないかと想定。しかしデジカメで使う前提では、一般に(解放から使えて周辺の流れが少ない)広角のいいレンズは少ないですね。



24mmに比べると玉数が多いのか、手ごろですね。1000円台半ば+送料(ヤフオク)で購入。



どうせなら少し明るいレンズも試してみたくなり... 10,000円台+送料(ヤフオク)で購入。



35mmは結構よくある画角だと思うんですが、28mmに比べるとやや割高(こちらはポートレート的にも使う想定で、1段明るいF2の方にしましたが)。12,000円台半ば+送料(ヤフオク)で購入。これ以上高いとMitakonの35mmF2やYongnuoのYN35mmF2など新品の明るいレンズと値段が変わらなくなる。


New FD50mm F1.4 2年くらい前に5千円弱+フードBS-52:500円で購入

所謂標準レンズとして。


FD50mm F1.4 S.S.C. 3千円+フードBS-55:500円で購入

お約束レンズのようなので購入したが、ほとんど使っていない。


New FD85mm F1.2L 6万円台半ば+フードBT-72:3000円(高い!)で購入

このレンズはNEX-5N入手のころから相場を観ておりましたが一時は4万円台だったものが、レンズ交換式ミラーレスデジカメボディでの利用が一般化して8万前後にまでなりました。


New FD135mm F2 (FDではLレンズじゃないんですねー) 3万円弱で購入


New FD200mm F2.8 多分後期型 2年くらい前に13000円半ば + 送料で購入

このレンズはNEX-5Nでステージ撮影の際に役に立ちました。それ以降は使っていません。


[キヤノンのレンズマウントの種類]

マニュアルフォーカス一眼レフ時代のキヤノンのレンズには

・(キヤノン)R

・FL

・FD

・New FD

があり、物理的な互換性を備えているということです(銀塩の実機を持っていないので、あくまで聞いた話です)。


FD(1971年〜)は、FLに比べTTL開放測光用に絞りの連動レバーとレンズの開放Fナンバーを伝えるピンを追加したマウント。

開放測光というのは実際の撮影時の絞り値で測光(絞り込み測光)するのではなく、シャッターボタンが押されるまでファインダが明るい絞り解放状態のままでカメラボディ側の露出計を機能させるものです。このためにレンズ側で設定している絞りの値を伝える必要があり、FDはその仕組みを持ったマウントになっているということになります。さらにAE(シャッタースピード優先などの自動露出)のため、カメラ側で設定した絞り値をレンズに連動できる機構を備えています。

マウント方式はFL同様スピゴット式で、現代の交換式レンズのようにレンズをはめた後レンズを回すバヨネット式でなく、レンズをはめた後、レンズの外側にある銀色の枠を回してロックします。

また画質面では

1)中心解像度1mmあたり100本以上を確保する。
2)高コントラスト性能を発揮するために必要とする充分な配慮を具現化する。
3)硝材の選択とコーティング技術を活用し、交換レンズ間で生じたカラーバランスの崩れを最小限に抑え、かつ多層膜増透処理を採用し透過率の向上を計る。
4)フレアの発生を抑制するレンズ構成と界面反射防止の実施、鏡筒内や部品からの反射を防ぐ反射防止処理技術の確立、有害光をレンズ内に取り込まない鏡筒設計。

といった方針が明示されています。


S.S.C.とは

製品名にみられるS.C.はスペクトラ・コーティング、S.S.C.スーパー・スペクトラ・コーティングのことで、多層膜コーティングになっています。NewFDではこの銘がなくなりました。


・放射能レンズ(アトムレンズ)

FL/FDのラインナップには、硝材に酸化トリウムを使ったものが一部に見られ、放射線を発生し健康を脅かす可能性と、経年劣化による黄変という光学的な影響があります。なお黄変は紫外線の照射で改善するようです。

個人的には、上記リスクを冒してまで入手する優先順位は低いかと思いました。




(Radioactive lenses - Camerapedia:より抜粋、キヤノンカメラミュージアムへのリンクは筆者)
FL 58mm f/1.2
FL 50mm f/1.8
FD 17mm f/4
FD 35mm f/2.0 (versions from the early 1970's, concave(前玉が凹レンズになっている希少モデルです。余談ですが前面凹レンズというのは、鏡筒内のムダな反射が抑えられ、フレアやゴーストの少ないデジタルでは好まれる設計になるようです...参考))
FD 55mm f/1.2 S.S.C. Aspherical

New FD(1979年〜)はFDと物理的な互換性を保ちつつ、バヨネット式と同様の使い勝手を実現したものです。

またFDに比べると全体的に小ぶりで軽量化されたものが多いです。


NewFDより軽量化やコストダウンの影響の少なく、重量感のあるFDを求める向きもありますが、自分は特別な理由がない限り、経年劣化のリスクが比較的少なくコンパクトなNewFDのものを求めるようにしています。


参考:キヤノンカメラミュージアム「歴史館 - キヤノンカメラ史

参考:デジカメWATCH「(第2話):キヤノンの苦悩


旧世代のものは、特にデジタルボディによる利用では、フレアやゴーストが出やすいといったことは想定していましたが、FD 85mm F1.2Lを使っただけでのかなりざっくりとした印象としては、新しいレンズのほうが解放でのにじみが少なくコントラストがしっかり出る印象があります。

posted by 曽我五郎 at 04:00| Comment(1) | TrackBack(0) | レンズ
この記事へのコメント
EOSでFDを使っています、参考になるかわかりませんがデジタルでの補正も必要です。
Posted by がっちゃん at 2016年02月25日 12:26
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