2024年04月10日

レビュー:Shure MV7+ 音質のよさはそのままにDSPで実用性が向上

Shureから配信用の新しいUSBダイナミックマイクMV7+というのが発売されました。
【追記】先に結論を書いておきますと、RealtimeDenoiserとAutoGainの両DSP機能が日常的な利用に大変役立っており、旧機種MV7の1.5倍の価格にもかかわらず、買い替えた価値は(個人的にはですよ)十分あったと思っております。

【旧MV7の欠点とMV7+の進化】
非常に高く評価されてきた旧製品Shure MV7ですが、割と指摘されがちな欠点としては
  1. 付属のポップガードがしょぼい(ポップノイズ抑制効果が低い)

  2. MicroUSB(端子が壊れやすい)

  3. USB出力に比して、XLR出力の音がイマイチ
というのがあると勝手に思っていますが、
このうち、3については、まだ情報がないので不明ですが、1,2は確実に解決してきました(付属のポップガードの改良・ポップノイズ抑制機能の搭載、USB-Cの採用)。
Shure-MV7.jpg
*個人的にはこれ加えて
  1. ロゴの自己主張が強すぎる
  2. ハンドリングノイズがでかい
というのが気になっておりましたが4,5については今回改善はないようです。


【追記】:購入しまして補足をば
  1. 付属のポップガードがしょぼい(ポップノイズ抑制効果が低い)
  2. →△ポップガードは少し長くなりましたが、効果が十分とは言いがたいです。引き続きShure RK345/Bを使う、DSP機能のPopperStopperと併用するなどがベターと思います。
  3. MicroUSB(端子が壊れやすい)
  4. →△USB-Cにはなりましたが、端子は旧MV7同様ぐらつきますね。今回もそこそこありがちな故障個所になりそうな予感。器用な方なら内部の基盤などをホットボンドなどで固定したほうがよいでしょう。自分は端子に力がかかりにくいマグネット式コネクタで脱着可能なケーブルにしました。→簡単に外れてしまいイラっと来るのでその後止めました。
  5. USB出力に比して、XLR出力の音がイマイチ
  6. →〇XLRの音はよくなったように思います。一方で一部の海外YouTube界隈で、USBの方がイマイチと言われておりますが、私は今のところ気になるところはありません。
  7. ロゴの自己主張が強すぎる
  8. →×見ての通りです。
  9. ハンドリングノイズがでかい
  10. →×変わらずヒドイ(Shure SM7Bなどはハンドリングノイズが気になることがないので、そんなに解決困難とは思えないんですよね)

そんな感じです...
さてこれ以外のMV7+の新たな売りとしては
  • 1680万色のLEDタッチパネル/オーディオレベルメーター

  • リアルタイム・デノイザー、デジタルポップフィルター(Digital Popper StopperなどのDSP機能

が挙げられます。個人的に全くLEDには興味がないのですが、後者のDSPの機能というのが割と魅力的に感じております。

【追記】DSP機能、こちらも購入後の感想を...
DSPの機能PopperStopper RealtimeDenoiserについては、全体的に破綻がなく割と自然な感じで機能します。
特にRealtimeDenoiserはノイズゲート的なものを想像しましたが、ノイズゲートにありがちな音の立ち上がりが不自然になることもないので、違和感なく使えます。またエアコンとかPCのファンノイズなどにはかなり有効です。(キーボードの打鍵音には効いていないように思います。)
自分の環境はPCなどの機材類が常時相当うるさいのですが、比較検証した結果、かなり明確にノイズをクリアにしてくれており、大満足です(XLR接続と比較しましたが、自分の環境ではかなり効果的でした)。
なおReverbは微妙に感じており使いどころをよく理解できていません。(疑問:音楽制作でこの製品のReverbを使うことがあるんでしょうか?)

【USBマイクについての一般論】
今更ですが、USBマイクとは
マイク(アナログ部分)+USBオーディオインターフェイス(AD変換、DSP)
でして、
この3年半のMV7からMV7+への進歩というのは基本的に後者のデジタル部分なわけです。
同じShureの(アナログ)ダイナミックマイクSM7Bは(SM7dB入れたとしても)20年間モデルチェンジしていないわけですから、アナログ製品とデジタル製品のライフサイクルに大きなギャップがあることは明白です。
MV7+も今後3〜4年ほどでデジタル部は陳腐化してしまう(モデルチェンジする)可能性が高いわけで、RODEあたりの競合製品も当然デジタル機能を強化してくるでしょう。ですが4年後とかに、このために特に大きく変わらないであろうアナログ部(マイク)込みで製品全体を買い替えるというのは、経済的には実にもったいないなと思ってしまうのです(言うまでもなくビジネスとしては買い替えを喚起したほうがうまみが大きいでしょう)。

ということで、今までもそうではありましたが、マイクはXLR接続のものを長く使い、オーディオインターフェイスを時代にあったものに変えていくほうが、やはりトータルのコストが抑えられて拡張性も満足感も高いのだろうなと改めて感じております。まあ円安による価格高騰下、今回も購入したんですが。

個人的には現在利用中のElgato Wave:XLRのような、高機能なリアルタイムデジタル処理をPC上で実現可能な安価なオーディオインターフェイスが今後増えてくるのではないかなと勝手に期待しております。
*Elgato Wave XLRはソフトウェアでイコライザーやノイズ消去など、VST3形式の汎用的なプラグインをPCのソフトウェア上で後付けで追加でき、リアルタイム処理できるという特徴を持っています。

またこ今回のShure MV7+の発売によって、廉価バジェットマイク界隈
  • DSP機能、ソフトウェアを提供してこなかったFifine

  • ShureにDSP、ソフトウェアの機能を寄せてきているMaono
あたりの今後の立ち位置(DSP機能をがっつり強化してくるのか)も個人的には気になっております。
posted by 曽我五郎 at 12:32| Comment(0) | マイク
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