2011年01月11日

小型雲台の選択(GITZOジッツオ GT-531のために)

アルカスタイルという選択は、そのシステマチックな発展性からいろいろな撮影に可能性の幅が出る一方、装備がどうしても大げさになりやすい傾向があります。
確かに三脚を少しでも軽くしたい、という軟弱な台詞の前に、その選択を見直す必要を迫られます。

さて撮影をことさら目的としない日常の生活、移動や旅行において、ちょっとした感動を「ああ写真に残したい」と思い、そしてそれが三脚があればこそ残せる、またはその表現が大きく広がる、という状況も、主に夜景ですが、少なからずあるように思います。そんなときのために普段携行しようとしているのが、GITZOのGT-531。GITZOのモデルの中で最も小さい00型カーボン三脚です。通常のカーボンモデルであるマウンテニアシリーズの中では、他のモデルと違い開脚角度が変えられないとか、センターポールにフックがないとか、著しく伸長が低いとか、いろいろ制約はありますが、Gロックと空転防止機構は一応ついていて、それなりにしっかりしています。

なおこのモデル、マウンテニアを謳ってはいますが軟弱な携行用というよりは、テーブル三脚的な位置づけなんでしょうね。

GITZO GT-531
シリーズ: 00
センターポール: rapid
付属用: 1/4" and 3/8" screws attachment type
伸高(センターポール格納時): 56.00 cm
全伸高: 67.00 cm
最低高: 29.00 cm
格納高: 33.00 cm
素材: carbon fiber 6X
耐荷重: 5 kg
脚段数: 3 number
自重: 0.41 kg
開脚角度: 37°


ところがこのモデル、残念なことに気がつくと日本のカタログからは消えてしまっているではありませんか!
まあ、このくらいの小ささになるとカーボンファイバーのご利益ってほとんど無いですし、その割に高い、通常の金銭感覚からするとありえないくらいにお高い、ということで不人気モデルなのでしょう。
個人的には、気休めとはいえ、5kgの耐荷重を謳っている剛性(感?)がひとつのポイントだったりしますが。

で問題になるのが、この三脚に合わせる雲台です。せっかく軽い三脚ですからここに載せる雲台を間違えると、本末転倒となってしまいます。
そこで200gそこそこで使えそうな雲台をちょっと探してみました。

BENRO(ベンロ) B-00 250g
http://www.benro.jp/products/head/proballhead/index.htm
公称耐荷重6kg
Benroの0型モデル(22mm径)と組み合わせて売られているようですね。

梅本製作所 SL-40ZSC 250g
http://www.umemoto.ecnet.jp/prod3/prod3.htm
目安耐荷重4kg
日本の雲台で一人(KTSも?)、気を吐いているブランドが梅本製作所ですね。
ちょっと芝居がかっていますが、ホームページからもその思いが伝わってきます。

Leitz(ライツ) KGOON D型
http://jp.leica-camera.com/photography/m_system/accessories/tripod_accessories/4105.html
Leitz WETZLARの銘が入ったモデルがよいとか...ちなみにライカへの郷愁や憧憬は特にありません。

HORUSBENNU(ホルスベンヌ) LX-1T 240g
http://translate.google.com/translate?hl=ja&u=http%3A%2F%2Fwww.horusbennu.com%2Fproduct%2Fproduct_view.html%3Fproduct_id%3D1811
中国製韓国ブランド。驚異の耐荷重12Kg!!しかも日本から買ってもプレートついて送料込みの3900円!(日本語Gmarket)
参考:http://item.rakuten.co.jp/pascalshop/lx-1t/
オリジナルは多分コレ??:http://www.triopo.cn/enHtml/Product_106.html

これ以外に、RRSのBH-25(221g)、SunwayfotoのDB-28(219g)なんかも視野に入りますね。Sunwayfotoはこのモデルだけ、執筆現在taobaoでもebayでも買えないんですよ(2/23追記:DB-28についてメーカーに問い合わせたところ、製造上の理由から現在は生産してないそうです。新しい製品を企画中とのこと)。RRSはレビューに入れたりするとウケたりするのかな、とか一瞬思いましたが、RRS選ぶ人ってほとんど一択でしょうから...何より送料入れると$200超えてしまうのは、GITZOのカーボン自慢しといていまさらナンですが、小市民的にはちょっとハードルが高かったです(三脚で息切れ)。

Leitz(ライツ) KGOON D型について
上記のうちLeitzの自由雲台は、昔のモデルのほうが作りが良いと言われるので、中古で何度か触り倒してきました。で、そのサイズから想像もできないほど、絶望的にしっかりとロックするのですが、ON/OFFがかなりはっきりしており、ON/OFFの中間の微妙な状態でフレームを調整するような自分の使い方には向かないため、結果、選択肢から外れました。しかし、その強力なロックには、ライカの凄さを印象づけられました。

ということで、今手元にはBenro, UMEMOTO, HORUSBENNUの三台があります。その比較は...
つづく

→つづき
小型雲台の選択の続き [梅本製作所 SL-40ZSC, BENRO(ベンロ) B-00, HORUSBENNU(ホルスベンヌ) LX-1T]
posted by 曽我五郎 at 01:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 雲台

2010年12月30日

SUNWAYFOTOのプレート

RRSやKIRKのシステマチックなプレートや機材は完成度も高いのですが、価格もお高い。そんな中でBENROなど庶民派のいくつかのメーカがRRSやKIRKを意識した?インスパイアされた??製品づくりをしているようです。

さて日本で全く名前を見ないブランドに、そもそもRRS自身一部でしか見ないのですが、中国のSUNWAYFOTOがあります。私は実物を見たことはありませんが、ネット上のレビューや写真を見る限り、製品の精度、クオリティはなかなかのもののようです。

えっと、これは旧JIS〄マーク


中には、あれ?これはどこかで見たな、という製品もなくはないですが、ちょっと見てください、意外と「かゆいところに手が届く」製品を作っているのではないでしょうか?

▼各社異なるプレート幅(形状)を容易に調整可能なレバー式クランプ。調整ねじが露出しているのが特徴。アルカスイス・モノボールのフリップ・ロック・モデルが同様のクランプですね(RRSのレバー式クランプは調整できない。Markinsはネジが露出していないので、ドライバーなどで調整はできるが、手で調整することはできない)

Name:lever-Release Clamp DDC-50LR
Model:DDC-50LR
http://www.sunwayfoto.com/html/products/201004/181.html

▼前後左右にサイズ調整可能な汎用Lプレート。(RRSの汎用Lプレートは左右方向には段階的にしか調整できない。)

Name:Universal L-type Quick-Release Plates
Model:DPL-02
http://www.sunwayfoto.com/html/products/200908/118.html
また、本製品が可動式液晶のG1との相性で問題のあったユーザのレポートを正直に紹介しているところにも好感がもてます。(プレートのつばが引っかかって液晶が開かない)

なおSUNWAYFOTROのプレートは、RRSのレバー式クランプとの互換性はないようです(問い合せました)。

▼そして謎のこの自由雲台!!

Handle Ballhead DBH-52
モデル:DBH-52
ブランド:SUNWAYFOTO
ボール径: 52mm
基底径: 73mm
高さ: 110mm
重量: 820g
最大荷重: 48kg
三脚穴: 3/8" UNC(いわゆる太ネジ)
パッケージ重量: 1118g
http://www.sunwayfoto.com/html/products/200908/128.html
ノブが4つある!!メイン・ノブとその中にあるフリクション・コントロールノブ、水平パン・ノブというのは想像がつくのですが、メイン・ノブの上にあるノブはなんなんでしょうか??
パン・ハンドル付きで、なんとなくこの雲台がビデオ目的兼用であることが想像されるので、二軸動作にするためのティルトロックなのでしょうね...

マニュアルはこちら...http://www.sunwayfoto.com/?fdownload/i7

購入は、今のところeBayかAmazon(US), Taobaoからのようです。
また余談ですが、eメールで問い合わせをしたところ、対応が非常に感じよかったです。
その応対から、このブランドは将来"来る"と私は思いました。

2011/2/22追記:2ちゃんねるにSUNWAY FOTOを購入された方のレポートがあがってました。
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/dcamera/1289478044/274-285

追記 Amazonで購入できるようです。(以下アフィリエイトになっています)

posted by 曽我五郎 at 19:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 雲台

2010年12月13日

アルカスタイルのクイックリリースプレートの互換性

アルカスイス型クイック・リリース・プレートでは雲台のクランプをノブ式でなく、レバー式にしたとたん、そのプレートの互換性が問題になってきます。これは、アルカスタイル(アルカスイス互換)と一口で言っても実際には、メーカーやモデルごとにその形状やサイズが微妙に異なり、調整の余裕がレバー式の場合ほとんど無いためです。
このプレートの互換性については、プレートの幅の問題として語られることが多いようですが、どうやらそれだけではなさそうです。

今手元に6種類のブランドのプレートがあるのですが、幅だけで見るとどれも38mm前後で実質違いがありません。
しかし、レバー式クランプで、あるプレートにあわせて調整すると、他のプレートが全くロックしないという組み合わせが明らかに存在します。

幅はほとんど同じなのになぜだろうと思ってみて見ると、この凸部アリガタ部の面取りされている部分(うまく説明できないのですが、接合部の厚みとでもいったらいいんでしょうか?)の寸法がプレートによって異なるんですね。どうやら互換性はここに大きく依存するようです。

したがってカタログ上で幅だけみて使える、使えないを判断するのは危険といえます。
ArcatypeClamp.jpg

上がMarkinsのプレート、下がReally Right StuffのLプレート、それぞれクランプに載せ、締めこんだ状態のアップ写真、右側がノブ、左側がクランプとプレートになります。なおクランプはどちらもMarkins Q3-TRノブ式。
ちょっと分かりにくいですが、プレート自身の幅はほぼ同一なのですが、ダヴテールの形状が違うため、噛み合い方が違います。
この結果、クランプの締め幅に違いが出てくるようです。

なお、一般的なノブ式のクランプの場合は、アルカスイス互換を謳っている限り多少の差は調整が効くので問題になりません。(滑落防止の仕掛けの違いによって、滑落防止が機能しないとか、使いにくいとかはありますが、本家アルカスイスの一部の特殊なサイズのプレートを除いて、ノブ式の場合使えないということは基本的にないと思います)

参考:各社プレートのReally Right Stuff (RRS)のレバークランプに対する互換性(問い合わせ、伝聞ベース)

北米チーム
RRS:OK
Kirk:OK(Studio JINのページより。ただしRRSのページに適合しないメーカに"some Kirk"とあり古いモデルに例外があるらしい)
Acra-tech:おそらくX(RRSのぺージより)
Hejnar PHOTO:OK(プレートの適合表に"Really Right Stuff, including level release plate"の記述)
ProMediaGear:OK(RRSレバー対応をうたっているものがある)
JTec:OK(問い合わせました)

アジアチーム
Benro:△(プレート側に滑落防止ネジの付いている最近のモデルは対応しているようだ、手持ちのプレートは対応と非対応の両方あり)
Markins:X(手持ちのプレートで確認)
Photoclam:多分X
SIRUI:X(販売元に問い合わせました)
JJC Kiwifoto:X(販売元に問い合わせました)
Sunwayfoto:X(メーカーに問い合わせました、ちなみにすごく感じが良かった)
Mestos:問い合わせ中
Horusbennu:X(手持ちのプレートで確認)

特にLプレートのある廉価版メーカを中心に調べています。

参考:RRSのレバー式クランプのページの注意書き
<拙訳>
注意:レバー式クランプは、お持ちのクイックリリースプレートがRRS製かWimberley製の場合にのみお選びください。アルカスイス互換のプレートは、メーカーごとに異なる規格で製造されていて、特にMarkins, Acratech, Arca-Swiss, 一部のKirkのプレートではアリガタ(ダヴテール)が浅いため、弊社のレバー式クランプは使えません。もしお手持ちのプレートがRRS製かWimberley製でない場合は、ネジ(ノブ)式のクランプをお選びください。
<原文>
NOTE: Choose a Lever Release clamp ONLY if you have quick release plates from Really Right Stuff or Wimberley. Lever Release clamp are not user-adjustable, and different manufacturers may follow different standards when producing Arca-Swiss compatible plates. Specifically, our Lever Release clamps do not work with plates from Markins, AcraTech, Arca-Swiss, and some Kirk plates–the dovetails are too shallow. Choose a screw-knob clamp if you have plates OTHER than those from RRS or Wimberley.



いや、ちょっと待てよ。「アルカスイス互換のプレートは、メーカーごとに異なる規格で製造されていて」って、その張本人はアンタやん!
そもそもRRS(とWimbarley)が元祖アルカスイス社のプレートサイズにきっちりあわせてくれていれば、何もこんな苦労をすることはなかったのに...

ご覧のみなさんももし何か情報ありましたら、コメントいただければ幸いです。
posted by 曽我五郎 at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 雲台

2010年12月06日

Photoclam(フォトクラム)vs Markins(マーキンス) その3 クイックリリース レバーの調整

レバー式クランプの場合、
ノブ式と違い、挟むプレートの寸法に対する柔軟性が乏しく、
異なる幅のプレートを使うことができません。

このプレートの寸法はメーカやモデルによって異なっており、
レバー式の場合は相互運用性が低いのが一つの弱点です。

Markins, Photoclamのどちらのレバーも純正以外のプレート幅であっても運用ができるように、
クランプの幅もしくはトルクを調整するねじがついているのです。

以前このレバーの調整について、
Markinsに比べPhotoclamの方が、
レバーの調整がしやすい
と書いた訳ですが
実はこれは、モデルによって違ってくるかと思います。

Photoclamの新しいレバー式クランプの調整は
クランプ裏のねじによって行うのですが、
今回紹介したパノラマ回転台の乗っているクランプがついている機種では
この回転台が邪魔になってねじを回せないのです。
このため専用のちょっとした工具(なんと水準器付き)で回してやる必要があるのです。

一方、Markinsの場合、レバーの奥にクランプの調整ねじのねじ山があり
このねじは、手で回すことはできないのですが、ねじ山は十字に切られており、
一般的なマイナスドライバーがあれば、このねじは回せるのです。
IMG_9116.jpg

結論
PhotoClam
パノラマ台のついているモデルPro Gold II - Easy PQRの場合、
付属の工具が必要。
パノラマ台のついていないモデルPro Gold II - Easy QRの場合
手で調整可能(と思われる)。

Markins
一般的なドライバーで調整可能。

レバーの調整のしやすさ
PhotoClamパノラマ台のついていないモデル > Markins > PhotoClamパノラマ台のついているモデル


posted by 曽我五郎 at 01:29| Comment(0) | 雲台

2010年12月01日

Photoclam(フォトクラム)vs Markins(マーキンス) その2 水準器

先日Markinsに対する Photoclamのアドバンテッジとして
4. 水準器がカメラを載せた状態で確認できる。
を書きました。

しかしお父さん、
この水準器、一般的な使い方ではあまり使えないのですよ。
なぜかというと、一般的な使い方=左右にプレートをスライドさせて雲台にセットする方法では、この水準器、
正面ではなく、横に来てしまうんですね。
IMG_9060.jpg
結果として左右の水平を測ることができない。
できるのは、前後だけ。

これってあまり意味ないですよね。

で、よくプレートを見てみるとPhotoclamは(MarkinsもLプレート以外は)、左右前後どちらの向きでもプレートを差し込めるのです。

というわけで、これらのPhotoclam純正プレートを使っている場合は、前後方向にスライドさせる使い方をすれば、この水準器が使えるのです。

しかし、アルカスタイルの雲台はLプレートをはじめ様々なプレートをシステマチックに組み合わせることに
大きな魅力があると思うのですが、この水準器が活きるのはごく限られたプレートだけになってしまいます。

なお今手元にあるRRSの機種専用Lプレート(RRSのweb上でこのアイコンがある)は、左右前後OKです。
Kirkの機種専用とRRSの汎用Lプレート(MC-L)や旧機種用は左右方向のスライドしかできません。

ただ前後方向にスライドできるようにするのは、うっかりカメラを滑落しそうでちょっと怖いですし、個人的には、今はカメラ本体にある水準器機能を使うので、結局このPhotoclamの水準器のメリットは割とどうでもいいかな、と思っています。
posted by 曽我五郎 at 02:28| Comment(0) | 雲台